本日は、私が今年の2月にFXを始めたときにやっていた手法の高金利通貨のさや取りの失敗事例を紹介します。
この記事を読むメリット
①スワップさや取りの意味について理解
②巷で言われているメリットだけでなく、大きなデメリットについて分かる
やらないほうが良いよ!ではなくて、メリットデメリットをしっかり理解して手法を選択してほしいです。
何事もメリットがあれば必ずデメリットがあります。そのデメリットが許容できるのか?そこを各々で判断するべきです。
※そもそものスワップ投資についてのメリット・デメリットは別記事で紹介しています。
スワップさや取りとは?
スワップのさや取りについて以前の記事でも紹介していますが、簡単に説明しておきますね。
スワップさや取りとは
買いのスワップが高いFX会社 と 売りのスワップが引くFX会社の差額を利用することで為替変動の影響なくスワップをもらい続ける手法の事。
例えば、トルコリラで買いスワップ100円のA社、売りスワップー50円のB社でそれぞれ1万通貨ずつポジションを持ったとします。この状態で1日たった時に為替が1円下落したとすると
A社(買い) : 1円下落×10000通貨=-10000円 だけど スワップ +100円
B社(売り) : 1円下落×10000通貨=+10000円 だけど スワップ -50円
⇒トータルで 為替分は±0円 スワップが +50円 と こういう手法をスワップさや取りと呼んでいます。
スワップさや取りのメリット
一般的に言われているメリットは以下の通りです。
▶メリット
①買いと売りの両方のポジションを同数持つ(両建てと呼びます)ので、為替差損が理屈上発生しない(⇒為替が上がろうが下がろうが、利益も出ないし、損もでない)ため、ただ持っているだけで毎日スワップが得られる。
これが最大で唯一のメリットです。FX始めたばかりで良くわかない人は夢のような手法に感じると思います。事実私も最初はこのメリットだけ知って始めてしまいました。
スワップさや取りのデメリット
デメリットは複数あります。
▶デメリット
①FX会社を2社使うことになるので同じ値でポジションを持つことはほぼ無理
②スワップが高い高金利通貨はスプレッドも広い
③FX会社の2社に資金が分離される。
④マイナススワップ側(売り側)のポジションは常にマイナススワップなので資金が減り続けるため定期的に資金追加(買い側のFX会社から資金を移動)が必要
⑤損切り価格を決めていて、その価格になったとしても、2つの会社両方が同時に決済にならない場合がある。(←私が経験したパターン)
⑥FX会社のスワップ価格は日々変動
バーっと書かれても良くわからないと思いますので、1つずつ詳しく説明していきたいと思います。
①FX会社を2社使うことになるので同じ値でポジションを持つことはほぼ無理
これは言葉のままですね、A社で10000通貨買った後に、B社で10000通貨売る場合、FX会社も異なるからそもそも同じ価格でもないですし、為替は常に変動しているので、同じ価格でのポジションは無理ですね。
こういうと、指値いれて予約注文なら?という話があると思いますが、うまくいけばそれでも良いと思います。
ここで言いたいことは、運用始めた瞬間に為替損が発生する可能性があるということです。
②スワップが高い高金利通貨はスプレッドも広い
例えば、トルコリラは今私が使っているマネーパートナーズではスプレッドが3.8銭です。
具体的にどういうことかを例で説明します。
以下の通りします。
・10000通貨 買い と 売り を持つ
・A社(買い)のスプレッドは4銭 B社(売り)のスプレッドは5銭 ※スプレッドは手数料のイメージ
・A社のスワップは100円/10000通貨 B社のスワップは-50円/10000通貨
この時ポジションを持った瞬間にスプレッド(手数料分)は損が出ます。いくらかというと、
・A社(買い) : 10000通貨×0.04円 = 400円
・B社(売り) : 10000通貨×0.05円 = 500円
合計900円の手数料がポジション持った瞬間に発生します。
これをスワップで取り戻そうとすると、
スワップの差額は50円/日 なので 900/50 = 18日 かかることになります。
3週間弱は手数料に消えていくイメージです。超長期で考えれば大したことはないのかもしれませんが、⑥のデメリットにもつながっていくので、大きなデメリットだと私は思います。
③FX会社の2社に資金が分離される。
これは資金効率の話になります。
多くの証券会社は両建ての場合には片方の証拠金で取引ができますが、この手法は2社それぞれで別にポジションを持つことになるので、その分資金が必要になります。
特にスワップの差額は小さいので、大きな利益(例えば月5万とか)を得ようとすると、そこそこ余裕をもって運用するためには5百万円以上の資金が必要になると思います。
④マイナススワップ側(売り側)のポジションは常にマイナススワップなので資金が減り続けるため定期的に資金追加(買い側のFX会社から資金を移動)が必要
買いポジションのFX会社は毎日スワップが入ってくるので資金が増える側ですが、売りポジションのFX会社は毎日マイナススワップで資金が減っていくことになります。完全放置しているといつの間にか口座のお金が減っていて、ちょっとした為替変動で強制ロスカットみたいなかっこ悪いことになってしまいます。大きなデメリットではないですが、面倒という意味で書いています。
⑤損切り価格を決めていて、その価格になったとしても、2つの会社両方が同時に決済にならない場合がある。(←私が経験したパターン)
これが私が経験したパターンです。このために損失が拡大して今いました。
仮に同じ価格で損切の設定をしていたとしても、価格はFX会社によって様々です。
私が実際に経験したのは、トルコリラで自分で設定したロスカットラインに対して買いがタッチして決済されましたが、もう一方の売りは微妙にタッチせずに決済されませんでした。
これが寝ている間に起きてしまい、起きた時には損失が拡大してしまいました。
そんな確率低いはず!と思っていたのですが、実際に体験してしまいました。
その時の心境をツィートしていたので貼っておきます。
まあこの時は単純にレバレッジが高すぎました。
資金100万ずつで20LOT(20万通貨)ずつ買ってましたからね。
結局この時は5間年くらい損しました・・・。
⑥FX会社のスワップ価格は日々変動
スワップ価格自体は、国の政策金利をベースに決まっていますが、FX会社の競争で、政策金利以上にスワップ価格を提示している会社も多いです。
ですので、スワップの値は約束されたものではなくて、日々変動します。
もっと言うと、高金利通貨のトルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランドやその他の通貨も含めて、政策金利を下げていく動きが強いです。
今日はスワップさや取りで1万通貨あたり50円の利益があったとしても、明日は30円かもしれないし、もしかしたらマイナスになるかもしれません(ちょっと極端ですが)
数百万の資金で運用して、得られる利益が少なくなっていくとやる意味が薄れますよね。
これは結構なデメリットだと思っています。
スワップさや取りはどうやればよいか?
ここまでデメリットばかりを言ってきましたが、良いことばかり説明することが多いと思うのでしっかりと理解してほしいとおもいあえて強調して書きました。
そこを理解してもらったうえで、どう運用していけばよいか、私の考え方は以下の通りです。
スワップのさや取りはある一定はほったらかしにできるので、銀行にただ預けておくよりははるかに良い運用方法だと思います。
ということで、スワップさや取りをうまく運用するには
①レバレッジは大きくても3倍まで運用
→ロスカットに対して十分大きく余裕を持つ
②週に1回は口座資金の確認、FX会社のスワップを確認
→うっかりミスの防止。スワップが下がった場合に放置せずに別会社への変更などの対応
スワップさや取りにおすすめの通貨
完全に個人的な好みですが、おすすめはメキシコペソです。
理由は、
・トルコリラよりは国の安定性の格付けが上
・現在の価格が5.5円程度で、仮に半分に下落したとしても3円弱で限定的(トルコリラは17円なので半分だと8.5円の下落になります)
・肝心のスワップを決めている政策金利もそこそこ安定
私自身は今は裁量取引がメインなので、資金をほぼ100%そっちに突っ込んでいます。
もしまた、スワップ投資やるなら、メキシコペソかな?とは思っています。(ちなみに今は買いで10万通貨だけ半年ほど持っています。)
※メキシコペソのスワップ投資については以下記事を参考にしてください
最後に
本日はスワップさや取りの主にデメリットについて紹介させていただきました。
繰り返しになりますが、そんなに楽して儲かる手法はありません。メリットとセットのデメリットを理解して、それが許容できるのであればその手法で運用してもらえれば、知らぬ間に損失を抱えるみたいなことは少なくなると思います。
毎日チャートを見ることが出来ない人にとっては、良い手法ではありますので、ご検討されて活用していただければと思います。
以上、本日もありがとうございました、enukuraでした。
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